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ORIGAMI Online Store

ORIGAMIと別府の竹細工

取材協力:
株式会社 萬洋
株式会社 南風工藝
永井製竹 株式会社


2024年よりORIGAMIでスタートした、「with Makers」プロジェクト。
“with Makers”は美濃焼のメーカーとしての新たな挑戦、産地や業界の垣根を越えたコラボレーションに取り組み、ORIGAMIの製品を通して、日本のものづくりの文化を伝えたい。
生産の背景や作り手を知ることで、製品を長く大切に愛してもらいたい。
もっとたくさんの人にコーヒーを楽しんでもらいたい。
そんな想いから発足したプロジェクトです。

今回は大分県の別府の竹細工とコラボレーションし、竹製のドリッパーホルダーを開発しました。
この記事では、別府の竹細工がどのように生まれ、産地と技術が発展し、現在まで伝統が継承されているのかをご紹介します。
別府竹細工のはじまり
日本有数の温泉地として知られる大分県別府市には、2,500を超える源泉があり、湧出量は日本一を誇ります。
日本では古くから「湯治(とうじ)」と呼ばれる温泉療養が行われており、別府温泉も全国から多くの湯治客を迎えてきました。江戸時代には、庶民が長期滞在して体を癒やす湯治文化が広く定着しました。

一方で、大分県は日本有数の竹の産地でもあり、特に「真竹(まだけ)」は質の高さで知られています。温暖湿潤な気候と豊かな降雨量に恵まれた別府周辺では、竹林がよく育ち、良質な竹資源が豊富に存在します。

別府の温泉と竹の恵まれた環境、そして文化・産業の背景が結びついたことで、別府では湯桶や湯かごなど、湯治生活を支える道具に竹細工が用いられるようになったのです。
暮らしの中の竹細工
明治時代以降、鉄道の開通により別府温泉は全国有数の観光地として発展しました。
湯治客に加えて観光客が増えると、竹細工は日用品から土産品・工芸品へと姿を変えていきます。
温泉宿で使われていた竹製の日用品は、観光客にとって「別府らしさ」を象徴する工芸品として人気を集めました。
こうした温泉と湯治文化の存在があったからこそ、別府竹細工は生活道具の域を超え、今日では芸術作品にまで広がりを見せています。

別府の人気観光地「海地獄」は、約1200年前の鶴見岳噴火で誕生した熱泉です。

硫酸鉄を含むため水面はコバルトブルーに輝き、約98度の高温を誇ります。

海地獄では竹かごに卵を入れ、約98度の蒸気で加熱して黄身が濃厚な温泉たまごを作ります。観光客に人気の名物として、その場で味わえます。

「地獄蒸し」は、別府温泉の噴気や高温の蒸気を利用した伝統的な調理法です。

竹かごに野菜、魚介類、肉などを入れ、温泉の蒸気で一気に蒸し上げます。余分な脂や塩分を使わずに調理できるため、素材の旨味を逃しません。観光客にも人気の名物料理として、その場で出来立てを味わうことができます。

竹細工に主に用いられる真竹は、しなやかで強度があり、軽量で耐久性に優れています。さらに、通気性や吸湿性に富み、蒸気や水気にも強いのが特徴です。
また、竹は再生力が高く環境負荷も少ないため、自然素材を活かした循環型のものづくりを可能にします。


新しい竹細工は青竹や淡いベージュ色をしていますが、時間の経過とともに光や空気に触れて飴色や深い茶色へと変化します。
使い込むほどに艶が増し、風合いが深まり、自分だけの道具として馴染んでいきます。

竹細工を支える、唯一の製竹所「永井製竹」

別府の竹細工は、淡い黄金色の艶やかな風合いと、経年変化の美しさ、そして細かな編み目と長く使える強度に特徴があります。


竹林から伐り子によって伐り出された青い竹は、そのままでは竹細工に使用できないため、「湯抜き」と呼ばれる工程を経て、しなやかで加工しやすく、腐りにくい白竹へと仕上げられます。


しかし、伐り出された竹は大きく重く、湯抜き作業も夏は暑く冬は寒い過酷な環境で行われることから、現在は後継者不足が深刻な問題となっています。


別府で唯一残る永井製竹では、代表取締役の茶 重之さんがおひとりで、今も湯抜きの作業を担っています。

茶さんはもともと東京で金融関係のお仕事をされていましたが、趣味で通っていた竹細工教室をきっかけに永井製竹に入社されたそうです。

現在は竹材づくりに加え、竹で作ったタンブラーやスピーカーなど、ユニークな自社製品の制作にも取り組まれています。


精密な編み目が美しい別府の竹細工にとって、丈夫で良質な竹材は欠かせません。

永井製竹は、別府だけでなく、全国の竹細工を支える大きな存在となっています。

湯釜の様子。

しばらくして湯釜から竹を取り出し、竹の表面に白く浮かび上がった油を熱いうちに手作業でふき取る。そのあと、向きを変えてもう一度同じ工程を繰り返す。

湯釜に使う燃料は工場で出た竹の端材が活用されています。

湯釜に水と苛性ソーダをいれ、沸騰したところに竹を入れる。

湯抜きが終わった竹は立てかけて天日干しする。

湯抜きが終わった竹は立てかけて天日干しする。

伝統を受け継ぎ、新しいものづくりに挑戦する - 南風工藝 -

今回、ドリッパーホルダーを竹細工で制作するにあたり、理想のデザインを表現できる職人が日本国内でも年々少なくなっていることから、開発は難航しました。

職人探しを続けるなかで出会ったのが、南風工藝です。試作を重ね、理想としていたデザインのドリッパーホルダーを完成させることができました。


南風工藝は1979年、竹細工の生産が盛んな大分県別府市で創業し、現在は大分県日出町を拠点に、竹製品の制作と販売を行っています。

竹細工の世界には、個人で作品制作を行う「作家」と、工場に複数の職人が在籍し家庭用品を生産する「産業」という、大きく二つの形があります。

南風工藝は家庭向けの竹製品を手がけており、かごやざるといった定番品に加え、竹から抽出した精油を用いたディフューザーの開発など、独自性のある商品づくりにも取り組まれています。


作り手が減り、技術が失われつつある今、未来に残すために何ができるのか、そして多くの人に竹細工を使ってもらうにはどうすればいいのかを、常に考え続けていると、取締役会長の井倉さんは語ります。

井倉さんによると、日本の竹と海外の竹の大きな違いは、素材そのものの美しさにあるといいます。

海外では竹の表皮を剥がして加工されることが多いのに対し、日本の竹は土壌や気候の影響により、表皮自体が美しく、その表情を活かした、美しい竹細工を生み出すことができます。

近年では、より多くの人に竹細工の魅力を伝えるため、漆など自然由来の染料で表皮を染め上げてから制作する、新たな竹細工の開発にも取り組まれています。

ORIGAMI ドリッパーホルダー [りんこ編み]ができるまで

ORIGAMI ドリッパーホルダー

 [りんこ編み]ができるまで

湯抜きと天日乾燥を施した竹は、竹細工に適した状態に整えたうえで、さらに細く割り、ひご状にしていきます。


別府の竹細工にはさまざまな編み方がありますが、今回開発したドリッパーホルダーには、「輪弧(りんこ)編み」と呼ばれる、竹ひごを斜め方向に交差させながら、輪を重ねていくように編み進める技法を採用しています。

りんこ編みは丈夫なだけでなく、立体感と軽やかさをあわせ持つ、美しい表情が特長です。


ORIGAMIドリッパーに合うよう、ホルダーの内径は木型で調整し、あとは編み進めながら、職人の手で一つひとつ形を整えていきます。仕上げは、竹ひごの端をはさみで処理するだけ。接着剤などは使用していません。


熟練の職人の技術と感覚によって、丈夫で美しいドリッパーホルダーが生み出されています。

恵まれた自然環境と産業の歴史のなかで育まれてきた、別府の竹細工。
時代が移り変わるなかでも、その姿を少しずつ変えながら、今もなお別府の街には竹細工の文化が息づいています。

竹には、ほかの素材にはない魅力が数多くあります。
ゆっくりと経年変化を重ねることで生活に寄り添い、使う人の手に自然と馴染んでいきます。

ORIGAMIの製品を通して、竹細工ならではの使い心地の良さと、その奥深い魅力を知っていただけたら幸いです。

開発および取材にご協力いただいた皆様

 株式会社萬洋

〒874-0919 大分県別府市石垣東2丁目10-33


株式会社 南風工藝

〒879-1509 大分県速見郡日出町大字南畑1231-5


永井製竹 株式会社

〒874-0930 大分県別府市光町 3-14


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