『FARO』というブランドをコーヒー業界に羽ばたかせたい。 オーナー田邊 芳織さんの生き方が詰まった、港町・横須賀に佇むカフェのものがたり


FAROよこすかポートマーケット 田邊 芳織


ぱっと目を惹く、色鮮やかなサンドイッチ。店内に立ち込める、淹れたてのコーヒーの香り。お店をいっそう華やかにするのは、季節を感じる装飾や雑貨たち。

ここは、2022年秋に誕生したカフェ『FAROよこすかポートマーケット』。港町・横須賀に誕生したFAROの新しいお店です。

ひとたびお店に入ると、海かぜがふわっと吹き抜けるような、まるでここが日本であることを忘れてしまいそうな、海外のリゾート気分を味わえる、港町のカフェ。


はじける笑顔でこころよく出迎えてくれたのは、オーナーの田邊 芳織さんです。


カフェ・ショップ・商品開発のプロデュース・運営をするFARO TOKYO株式会社の代表としてスタッフ25名とともに、店舗を増やしながら新しいチャレンジをしつづけています。


「美しく、楽しく、ヘルシー」をキーワードに、“笑顔”になれるアイテムを発信するFARO。代々木本店をはじめ、横浜高島屋店にも店舗を構えながら『FAROよこすかポートマーケット』をオープンした背景には、どのような想いが込められているのでしょうか。


エネルギッシュにまわりを巻き込みながら、どんどんつくりたい世界を発信する。

そんな田邊さんの生き方が詰まった、港町・横須賀に佇むカフェ『FAROよこすかポートマーケット』誕生のものがたりに耳を傾けてみました。

歌手としてミラーボールの世界で生きていた
───田邊さんはもともとFAROを立ち上げる前、別のお仕事をされていたと伺いました。

そうなんです。ずっと歌手をやっていました。家族みんなが音楽好きだった影響で、歌うことが大好きな子供でした。学生時代から舞台に立っていましたね。


わたし、人よりも声量が大きいみたいなんです。日本人離れというか、海外の方と同じくらいの声量がでるんですよ。そこを評価してもらって、ハウス・ミュージック(アメリカ・シカゴで誕生した音楽ジャンルの一つ)を中心に歌手活動をしていました。


クラブで海外のアーティストさんの前座で歌わせてもらったり、米軍基地で歌ったり。ずっと華やかなミラーボールの世界で生きていましたね。

───そこからどのようにFAROの立ち上げに至ったのでしょう。

歌手を卒業したときに「自分で小さなお店を持ちたいな」と思ったのがきっかけでした。それがFARO一号店の『代々木本店』です。都会に在りながら、まるで海外のリゾートに佇む小さなカフェのような、アットホームな雰囲気満点のお店にしたくて。自分の理想をぎゅっと詰め込んだお店になりました。

───田邊さんにとってFAROは、新たな船出だったのですね。

まさにそうですね。心も身体もヘルシーになれる手作りサンドイッチ。こだわりのコーヒー。それらをお客さまに提供するうち、どんどんカフェの経営にのめり込んでいきました。

最初は「小さなお店」と言っていたけど、それだけでは満足できず(笑)。もっともっと!という気持ちの赴くまま2号店の『横浜高島屋店』、そして3号店『FAROよこすかポートマーケット』をオープンしました。一歩、一歩、ではありますが、FAROを届ける輪を広げてきましたね。

歌手からカフェ経営への転身。履歴書を見ると不思議に思われる方もいるかもしれませんが、わたしの中では全部つながっているんです。FAROのロゴには「昼の太陽」と「夜の月」のマークがあるのですが、あれは「昼の顔」と「夜の顔」を持つ自分自身を表しているんですよ。

ジャンルや業界をまたいで場を広げてこられたのは、きっと父の影響も大きいと思います。多彩な人だったので背中を見て育ったのかなと。歌もコーヒーも経営も、ものの本質は同じ。そのとき、そのとき、選んだ道を突き詰めていくだけです。フィールドを変えながらも、今はFAROを通じて自分を表現できていると思います。
港町・横須賀にぴったりなカフェ『FAROよこすかポートマーケット』
───そのなかで『FAROよこすかポートマーケット』は、洗練されたブルーの店内カラーをはじめ、より海外の雰囲気を感じる店舗だなと感じます。ぜひ、こだわりを教えてください。
念願だった港町にお店が出せる───。だからこそ横須賀という街に合うお店づくりがしたいと思いました。コンセプトとしては、カリフォルニア・イタリアの雰囲気。リゾートに行ったときの、ふわっとこころに風が抜けるような感覚を味わってもらえたら。そんな願いを込めています。
───港町という場所との親和性も大事にされているのですね。

そうですね。もともと海外が好きだったり、クラブで歌っていたときも米軍のお客さまがいらっしゃったりして、海外の文化に親しみがありました。細かいですが、店内のインテリアも天然木を置いたり、季節ごとに装飾や取り扱う雑貨を変えたりしながら、「いつ来ても気分があがるお店」を目指しています。

ヘルシーにたくさん食べる、キュートな女性の姿を自然に引き出せたら
───FAROさんといえば、サンドイッチも人気ですよね!

ありがとうございます。サンドイッチは栄養満点で、一つ食べればお腹いっぱいになりますし、彩りのいい具材を揃えているので毎日食べても飽きないくらい。目で見て、食べて味わって、楽しめます。


こういうボリューミーなサンドイッチって、女性はデートのときにちょっと気を遣うのかなとも思っていて。大きく口をあげて頬張ったりうまく食べられなかったり。


でも、「おいしそうにモリモリ食べている女性の姿こそ、一番キュートじゃん!」って思うんですよ。


「美しく、楽しく、ヘルシー」がFAROのコンセプト。笑顔になれる食事やカフェタイムを楽しんでもらいたい。そんな想いを込めながらサンドイッチをつくっています。

───素敵な想いですね。『FAROよこすかポートマーケット』では、弊社ブランド・ORIGAMIのラテボウルも使ってくださっていると伺いました。

そうなんです。「ずっとORIGAMIを使いたいな」と思っていたので、念願叶った!という感じで。愛用させてもらっています。

ターコイズカラーがお店のコンセプトカラーということもあって、お店の雰囲気にもぴったり。お客さまからも好評で「かわいい!」というお声をよくいただきますね。

『FARO』というブランドをコーヒー業界に羽ばたかせたい
───ありがとうございます。では最後に、田邊さんのこれからの目標を教えてください。

海外進出も見据えたチャレンジをしていきたいと思っています。サンドイッチも、コーヒーも、日本だけでなく世界の人たちにも楽しんでいただきたい。サンドイッチに関しては、日本の食パンを使っているため、日本の食文化を広める意味でも、挑戦できたらなと。

もちろん、まだまだ大手コーヒーメーカーのような知名度はないですし、どれだけいいコーヒーを提供しても、なかなか伝わらないことも多い。正直、できるか、どうか...。と悩むことも多くあります。


でも今回の店舗『FAROよこすかポートマーケット』出店も、ORIGAMIさんのラテカップも、それからスタッフ一人ひとりの出会いも、すべてご縁がつながって今がある。そのことを、ひしひしと実感しています。このご縁を、未来につないでいくためにも、自分から動いてどんどん新しい道を切り拓いていきたいですね。


『FARO』というブランドをコーヒー業界に羽ばたかせたいです!

写真:間澤 智大