ORIGAMIドリッパーを使用して、誰が一番おいしくコーヒーを淹れられる?
「ORIGAMI CUP」大会レポート+優勝者Hazeru Coffee 寺田さんインタビュー

「ORIGAMI CUP」大会レポート


2022年12月16日、ORIGAMI のブランドパートナーであるトランクコーヒー鈴木さんが、名古屋に構えるスペシャルティコーヒー専門店『TRUNK COFFEE LAB』主催にて、日本国内初の『ORIGAMI CUP』が開かれました。

ORIGAMIを通して、「コーヒーの魅力の再発見、器具の楽しさ、人との交流の機会をつくる」ことを目的に開催された本大会。ORIGAMIドリッパーを使用して「誰が一番おいしくコーヒーを淹れることができるか?」トーナメント形式で競います。

過去には、ブラジル『UmCoffee』、ペルー『Violetcafelab Tostaduria』、シンガポール『Homeground Coffee』で開催され、2023年にはメキシコ・UAE・フランスでも予定しています。

世界中で愛され、盛り上がりを見せる『ORIGAMI CUP』

「参加者・観客が、一体となるようなイベントにしたい」

これまで主催してきたバリスタ・コーヒー業界の方々の想いを受け、今回はプロのバリスタ、ホームブリュワーを中心とした18名の参加者が揃いました。

ルールは、全員が同じコーヒー豆を使用すること。その他の水・グラインダー・ペーパー等は、自由に持ち込みOK。準備時間は5分、競技時間は8分。豆の挽き目、お湯の温度、ペーパーを工夫し、最高だと思う1杯をORIGAMIドリッパーで再現します。

審査員は、コク、酸味、甘味、アフターテイストの総合点で瞬間的に評価。
カッピングジャッジ(指差し)による多数決で勝敗、そして優勝者を決定します。

競技者にジャッジを下すのは、コーヒー業界の第一線で活躍する方たち。

オーストラリア・メルボルンで開かれた『WBrC2022(ワールドブリュワーズカップ2022)』で世界3位に輝き、シンガポールに『Homeground Coffee』を構えるElysiaさん。


世界のコーヒーシーンを駆け回る、TRUNK COFFEE代表・鈴木 康夫さん。


そして今年開かれた『ジャパンカップテイスターズ2022』優勝者・ 石原 匠真さん。


豪華な顔ぶれに、会場も盛り上がります!


────どのコーヒーが1番おいしいか


明瞭な価値判断とストリートな雰囲気で、臨場感のある大会を演出してくれました。

左から石田さん・鈴木さん・Elysiaさん

中央に優勝者の寺田さん

ここで、今回の『ORIGAMI CUP』の優勝者・富山にある『Hazeru coffee』寺田さんにコメントをいただきました。

大会にエントリーした理由は何ですか?

自分の技術を磨こうという気持ちがきっかけです。

8月に初めて別の大会に出る機会があったのですが、初陣ということもあって練習の仕方も大会当日の準備物も全くわからず...。何もかもが手探りでした。

自分なりに努力したつもりではありましたが、初戦は敗退。

悔しい気持ちと共に、コーヒーの奥深さに気づかされた経験になりましたね。

それから少し期間が空いた11月の上旬ごろ。

『ORIGAMI CUP』が開催されることを知り、「もう一度、自分の抽出技術を見直すチャンスだ!」と出場を決意しました。

寺田さん自身にとってコーヒーとは?

人生を変えてくれた存在であり、これから一生をかけて恩返ししたい存在です。

もともと社会人1年目は、地元の石川県で美容師をしていました。ですが1年ほどで退職。親に学費まで出してもらったのに...。と情けなかったですね。

その後、飲食店で1年ほど働きます。その期間に、たまたま金沢のコーヒースタンド『Nonstop Coffee』様で初めて浅煎りのコーヒーを飲む機会がありました。しかもパナマのエスメラルダ農園のゲイシャ種。

自分の中でコーヒーの概念が覆る一瞬でした。

それからコーヒーの世界にみるみるのめり込んでいきましたね。


今では『hazeru coffee』で働き、SNSや大会などを通じて志高い同年代のバリスタやロースターの方たちと交流する機会も増えていきました。遠く離れていても、共に切磋琢磨できる人たちの励みが自分のモチベーションにもつなっています。


コーヒーとの出会いが職業や人間関係、生き方までも大きく変えてくれました。だからこそ、コーヒーを通して出会った方、生産者をはじめとするコーヒーに携わる方、そしてコーヒーそのものに、一生をかけて恩返しをしていきたいです。

ORIGAMI CUPを通じて、今後の展望などありますか?

メルボルンでバリスタとして働きたいと思っています。

コーヒー文化やホスピタリティはもちろん、コーヒーの最先端技術や知識だけでなく、海外の働き方・暮らしにも興味があるので、自分の肌で感じてみたいです。

また日本の北陸地方の方々にも、「もっと身近にスペシャルティコーヒーを味わってもらいたい」という想いがあります。先輩方に北陸におけるスペシャルティコーヒーの魅力を教えてもらったように、今度は私がその魅力を伝えたい。


これからは、コーヒー豆や農園・生産者さんの魅力をさらに引き立てられる「名脇役のようなバリスタ」を目指してがんばります。

最後に、優勝賞品として、スペシャルカラーのドリッパーが寺田さんに贈呈されました。


多くの人がコーヒーの魅力を再発見できる『ORIGAMI CUP』。

これからも、多くの人にひらかれた競技大会・誰もが楽しめるイベントとして、世界中・日本中に広がっていきます。


前の記事

自然豊かな地で紡がれるクラフトマンシップ。 コーヒーが苦手な焙煎士”が生み出すギアと焙煎豆

次の記事

『FARO』というブランドをコーヒー業界に羽ばたかせたい。 オーナー田邊 芳織さんの生き方が詰まった、港町・横須賀に佇むカフェのものがたり