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世界中で「ここでしか味わえない感動体験」をあなたに。 『珈空暈』バリスタ・鈴木 樹さん

『珈空暈』バリスタ・鈴木 樹


蝋燭の灯がゆらぐ店内に一歩踏み入れると、そこはまるで別世界のよう。

茶室を模した、たった4席の凜とした空間。
世界中から集められた希少性の高いコーヒー豆の風味。
門外不出の酒蔵の仕込み水で抽出されたコーヒーの舌触り。
一雫ずつ滴る音に耳を澄ます、ゆったりとした時間の流れ。

ここは、日本を代表する伝統工芸や日本でしか味わうことのできない食材、お酒を使用したコーヒーのフルコースが体験可能なコーヒーバー『珈空暈(コクウン)』です。完全予約制で場所は東京都内にありますが、非公開という秘密の空間が広がります。

ドアの向こう、柔らかな笑顔で出迎えてくれたのは、『珈空暈』バリスタの鈴木 樹さん。ジャパン バリスタ チャンピオンシップにて日本史上初となる3度の優勝を誇り、World Barista Championship 2017では準優勝に輝いた実績を持つ世界トップレベルのバリスタです。

『珈空暈』が体現したい世界観や、大切にしたい想い。そしてコーヒーを通じて届けたい“体験”とは、どのようなものなのでしょうか。世界でここでしか体験できないフルコースを味わいながら、お話を伺いました。

五感で“体験”してほしい、「珈空暈」での特別な一杯

───まず最初に『珈空暈』というお店ができた背景やコンセプトをお聞かせください。



鈴木さん:ここはバリスタ の井崎 英典がつくりあげた完全予約制のコーヒーバーになります。ワールドバリスタチャンピオンシップにてアジア人初の世界チャンピオンを獲得し、過去30カ国以上でコーヒーのコンサルティングと啓発活動を続けている井崎が、付加価値を徹底的に追い求めることにこだわった至極の場所です。



「素晴らしい食材を、最高の調理技術、空間、サービスで提供するシェフと同じように、世界でここでしか体験できないコーヒーのフルコースをお届けしたい」


「日本を代表する伝統工芸や日本でしか味わうことのできない食材・お酒を、井崎のフィルターを通して再編集したThe zen of coffeeという唯一無二のジャンルとして体験していただきたい」


そんな想いから『珈空暈』は生まれました。


まるでバーテンダーがカクテルを作るように。世界に数キロしかない希少なコーヒーと日本の農作物を調合して、4種のドリンクをお楽しみいただく約1時間半のフルコースになっております。

───他にはない『珈空暈』でしかできない“体験”を創造することに、こだわっているのですね。


鈴木さん:そうですね。「一杯の価値を上げたい」という想いが強くあって。一般的なコーヒー店だと、混雑して席がなかったり同じような内装だったりしますよね。それが悪いわけではないのですが、本当の意味での「スペシャルティコーヒー」とは何だろうと考えたとき、当店ではもっと特別なものを表現したいと思ったんです。それが茶室の空間であり、禅の要素であり、日本ならではの文化や食材を取り入れたお店づくりでした。

今この瞬間だからこそ生まれたご縁を、“余白”として楽しむ

────ぜひ、具体的なこだわりについても伺いたいです。


鈴木さん:一つは、「お水」ですね。コーヒーにとってベストなお水ってなんだろう?と探す中で、やわらかさ、硬さ、成分などを見ながら飲み比べました。そうしてたどり着いたのが「酒蔵のお水」です。現在はもっともコーヒーの美味しさを引き出してくれる水として日本酒の仕込み水を使っています。

そもそも水道をひねって蛇口から水が飲める、「水が美味しい」という感覚が、とても日本的だなと思うんです。素晴らしい日本の資源を存分に使った至極の一杯を表現しました。

────コーヒーを淹れる器一つひとつにも、こだわりが込められているのでしょうか。

鈴木さん:はい。すべて日本の伝統工芸品を取り扱っています。作家さんによる手作りなので、一つひとつ形、色、風合いが異なる。その違いも楽しんでいただけたら嬉しいです。
そうした“余白”を味わう考え方は、空間づくりにも共通していて。店内は茶室を模した、4席しか設けていません。時にお一人で来られた4人が居合わせたり、世界各地から海外の方が来たり。同じ空間でも過ごす人によって、場の雰囲気や感じ方が変わるんですよ。

私自身、毎回同じドリンクを出していても、参加されるお客様によって全く違う体験を味わいます。その時、その場所、その人たち同士でしか生まれない会話やご縁を体験できることが『珈空暈』の醍醐味かもしれませんね。

────『珈空暈』だからこそできる、唯一無二の空間ですね。

鈴木さん:一杯のコーヒーを通じて人と人がつながっていく光景を見ると、バリスタという仕事の魅力を改めて実感します。参加される方もいろんなバックグラウンドをお持ちで、こちらが学ぶことも多くあるんですよ。

ご家庭で美味しいコーヒーを飲みたい!と情熱に溢れる姿を見て素晴らしいなと感じたり、世界中あらゆるコーヒーを飲み歩いている美食家の方がいらっしゃって豊富な知識に驚いたり。カウンターに立っていると、コーヒーが世界の共通言語となり、いろんな国との架け橋になっていることを実感します。
自分がトップじゃない場所で、もう一度挑戦したい。

────鈴木さん自身、とても楽しみながらバリスタをされていることが伝わってきます。


鈴木さん:ありがとうございます。もともとは大会にどんどん出てタイトルを狙ったり、決まったやり方で確立されたサービスを提供するコーヒー店で長年働いていたり『珈空暈』とはまた違う方向性を向いていました。


それこそ、ジャパン バリスタ チャンピオンシップで3度の優勝を果たしたりWorld Barista Championship 2017では準優勝という成果を残せたりもして。技術を磨き、ひたすら高みを目指していました。思い返すと井崎とは大会でも互いに切磋琢磨していましたね。14年半働いたカフェでもトップバリスタという形で活躍の場を与えていただいて、とてもありがたい環境にいました。


でもふと、40歳を前に怖くなったんです。「このまま同じ場所にずっと留まっていては、もう新しいことを始められなくなってしまうんじゃないか」と。だからこそ「自分が一番じゃないところに行ってみたい」と思ったんです。そうして慣れ親しんだ場所を飛び出して新たな挑戦のステージとして選んだのが『珈空暈』でした。

────トップを極めてもなお、新天地でのチャレンジを選ばれたのですね。


鈴木さん:常に新しいことを知りたい、できるようになりたい!という気持ちがあって年齢を重ねても、コーヒーへの情熱や探究心は尽きることがありません。


また母を早くに亡くしたこともあって「人生でやりたいことをできる時間って、意外と短いのかもしれない」という価値観がずっと心の中にあるのだと思います。Life is short. 人生は、一度きり。やりたいことは、できるうちにチャレンジしていきたいです。

世界中どこを探しても味わえないコーヒー体験を「珈空暈」で。

───最後に『珈空暈』のバリスタとして、今後の挑戦についてもお聞かせください!


鈴木さん:今では世界の有名都市であれば、どこに行っても美味しいスペシャルティコーヒーが飲めますよね。だからこそ『珈空暈』では、日本ならではの食材、空間、器、水......を取り揃えた「世界中どこを探してもここでしか体験できないコーヒー」を味わってもらいたいと思っています。


海外から訪れる方も多くいて、旅の思い出は特に「人との出会い」「真心が感じられる体験」が印象深く残ると思うんです。だからこそ一期一会のご縁を大切に、一杯一杯にこだわりと想いを込めて。これからも『珈空暈』ならではの感動体験を、世界中の人たちに届けていきます。

PROFILE

『珈空暈』

バリスタ 鈴木 樹様

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