コーヒーが溶け込んだ街の一部になりたい。

コーヒーが溶け込んだ街の一部になりたい。

Brown Sound Coffee オーナー/バリスタ 息才鳩美

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2018.02.16

こんにちは。ORIGAMI JOURNAL 編集部です。

今回登場いただくバリスタは、千葉県習志野でスペシャリティコーヒーを楽しめるBrown Sound Coffee オーナー/バリスタ 息才(そくさい)さんです。

息才さんは、サードウェーブコーヒーの代表格とされるブルーボトルコーヒーでバリスタを担う傍らBrown Sound Coffeeに惚れ込み、通い、2016年に新オーナーとしてお店を継ぎました。

コーヒーの最先端に触れたバリスタが選んだお店とは。どんな出会いから今にたどり着いたのか。インタビューはコーヒーを飲みながら和やかに進みました。どうぞお楽しみください。

Brown Sound Coffee
オーナー/バリスタ 息才鳩美
1992生まれ。ブルーボトルコーヒーで勤務の傍らBrown Sound Coffee でアルバイトを始める。その後、創業者の引退とともにお店を継ぐ。2代目として店長兼バリスタとして美味しいコーヒーを淹れる日々。

Brown Sound Coffee ウェブサイト
http://brownsoundcoffee.com

コーヒーを一杯飲んで、一目惚れ。

加藤
初めまして、ですね。いつもORIGAMI カップを使っていただいてありがとうございます。

息才
こちらこそありがとうございます。お客さんからの評判もいいですし、先代からずっと使わせてもらっています。

加藤
息才さんは2代目ということですが、いつからお店を継がれたんですか?

息才
2016年の7月です。それまでは社員というか、飛び込みで働かせてもらっていました。

加藤
飛び込み……ですか?

息才
はい。コーヒーを学ぼうと、別のカフェで働いてたときに偶然このBrown Sound Coffee を見つけて。いい雰囲気のお店だなぁと思って、コーヒーを飲んで、ピンときちゃったんです。あ、ここだ、って。先代のオーナーは西川さんというんですが、彼に「ここで働かせてください!」って言ったんです。初めて行ったその日に(笑)。

加藤
すぐに働かせてくれたんですか?

息才
最初は、もうスタッフはいるし、募集していないから無理だよって言われて。でも諦めきれないから、お金もいりませんから働かせてくださいって食い下がって。無理やり入り込んだのが始まりでした。まだ大学生の頃ですね。

そして働きながら大学も卒業した時に、ブルーボトルコーヒーに勤め始めたんです。平日はブルーボトル、土日はBrown Sound Coffee を手伝うという生活を続けました。でもあるとき、西川さんが「お店を畳むつもりだけど、やる?」と聞かれて、「やる!」と言って引き継いで今に至ります。

加藤
いやぁ、すごい行動力ですね。それだけ息才さんにとって、ここが魅力的なお店だったんですね。でも、普通はなかなか飛び込むことはできないですよ。その頃から、コーヒーでいこう! って決意されていたんですか?

息才
私、実はカフェの世界に入る前は洋服屋さんで働いていたんです。大学生の頃のアルバイトですけど。服が好きだったし、接客も嫌いじゃないし。……でも、数字を強く求めるお店の考えとだんだん合わなくなったんです。押し売りに近いことはしたくなくて。

他にできることがないかな、と悩んで、行き着いたのがカフェでした。昔からコーヒーが好きで、どうせなら飲むより作りたいと思ったんです。すぐに洋服屋さんと掛け持ちする形で成田空港のカフェで働き始めました。

空港なので、外国人のお客さんが多く、結構会話があるんですよね。渡して終わりじゃなくて。今日はこんな日だったよ、とか、ここに行くんだよとか。何かを売り込むのではなく、対等にコミュニケーションをしていく。本来の接客ってこうだよねと気づいて、どんどんカフェに引き込まれていきました。

加藤
ブルーボトルコーヒーといえば、カフェ好きなら誰でも知っている、ある意味では流行の先端にいるお店のひとつです。そこで働き続けるのではなく、このお店を選んだのには何か理由があるのでしょうか?

息才
なんだったんでしょうね(笑)。うまく言葉にできませんが、最初に訪れたときから、私はここで働く! って感じたんですよ。衝動的に。その気持ちは今も変わっていません。

だからお店を引き継いでから、内装も豆屋さんも、大事なところは何も変えずにそのまま。私が大好きな場所を、今できるベストな状態にしようとずっと心がけています。

加藤
それだけ惚れ込んでいるんですねぇ。ブルーボトルコーヒーさんで働いていた頃の影響はほとんどありませんか?

息才
ブルーボトルは今も大好きで、辞めるときも、正直すごく名残惜しかったです。あの場所で学んだことはとてもたくさんあって、このお店でもぜひ実践していこうと思っています。

たとえば、ブルーボトルでは3つのことを大事にしています。ホスピタリティが一番。次にサスティナビリティと、デリシャスネスがあります。バリスタが美味しいコーヒーを淹れるのは当たり前です。そこからどう個性を出していくか、作っていくかが大切だということを、改めて気づかせてくれたのがブルーボトルでした。

一番重要なホスピタリティを今のスタッフにどう伝えるかは、これからの大きな課題ですね。私がひとつの正解でもない。一人ひとりが良いと思う接客、人に与える感情をどう引き出していくか。難しいですが、取り組み続けていかないといけないものだと思っています。

加藤
スタッフの方はどんな方がいらっしゃるんですか?

息才
今、平日は私がひとりでお店に立っていて、土日はスタッフに来てもらっています。ぜんぶで3人。みんないつかコーヒー屋さんをやりたい、っていう子たちばかりで、しかも私と同じでいきなり「働かせてください!」って来たんですよ(笑)。

目標がしっかりあるから、学びたい意欲が強く、その子たちと一緒に考えながらお店をやっています。

街にコーヒーが溶け込むように。

加藤
少々自画自賛になってしまうのですが……ORIGAMIの色が店内でいいアクセントになっていますね。先代の頃から使っていただいているということで。

息才
はい。西川さんも気に入っていました。なんていうか、チョイスも素晴らしいですよね。私だったら全カラー揃えたくなるのに、あえて色を絞ることでカラフルさが映えるし、西川さん天才! って思っています(笑)。

鮮やかな色はやっぱりいいですね。目を引くし。お客さんのところにコーヒーを持っていくと、香りとカップの色で、二回「わぁ」って喜んでもらえるんです。かわいいーって声もありますね。

あと、私が洋服屋さんで働いていたこともあって、お客さんに服とか雰囲気に合わせて色を決められるのも楽しいです。あの人は赤がいいかな、あ、あの人は青だとか。お客さんから「今日は黄色にしてよ」とかオーダーもあるんですよ。そういうのも含めて、とても気に入ってます。

加藤
ありがとうございます。お客さんに合わせてカップとソーサーの色を選ぶというのは面白い使い方ですね。注文するときの楽しみが増えます。ちなみに、どんな方がお客さんが多いんですか?

息才
私はもともと全然違う場所に住んでいて、(お店がある)津田沼のことは良く知らなかったんですが、活気のある街ですね。赤ちゃん連れのママさんや年配の方、学生さんもたくさん来ていただきます。朝はママさんが多くて、夕方から大学生が増えますね。大学生はみんなパソコン開きます。リンゴマークのやつ。思い思いにくつろいでいただけるのは嬉しいです。

常連の方は、意外にお年寄りの方が多いかもしれません。スペシャリティコーヒーって酸味が特徴じゃないですか。だから初めての方は「コーヒーじゃないみたい」って思う方も多いんですが、飲み慣れてくると癖になるみたいで通ってくれます。

加藤
少しずつ地域に溶け込んでいるんですね。最後に、これからの思いについて聞かせてください。

息才
そうですね……。まず、空間や雰囲気はずっとこのままでありたいなと。大好きなので。あとはもう少し地域とコーヒーが近い存在になれたらいいですよね。

まだ、カフェに行くことに少し特別な気持ちが混ざっているように感じるんです。写真とか撮っちゃったりして。それも嬉しいんですけど、もっと1日の暮らしの中に自然とコーヒーがある街になったらいいなと。たとえばここで飲まなくても、お豆を買って家で淹れてもいいんです。ライフスタイルの中にすっとコーヒーがある街っていいじゃないですか。

加藤
素敵な街になりそうですね。今日はありがとうございました。

息才
こちらこそありがとうございます。ORIGAMIカップ、これからも使います。

いかがだったでしょうか。

ブルーボトルコーヒーという流行の最先端のお店を経て、惚れ込んだお店を受け継ぐ。息才さんの姿からは、自分の好きをどこまでも貫く真っ直ぐさを感じました。

息才さんにはオリジナルのコーヒーレシピもお聞きしましたので、気になる方はぜひこちらからご覧ください。

それでは次回もお楽しみに!

今回取材させていただいたBrown Sound Coffee さんは京成津田沼駅から徒歩5分の場所にあります。お近くに行かれる際はぜひお立ち寄りください。コーヒーと一緒に提供されているスイーツも絶品ですよ!

Brown Sound Coffee 
http://brownsoundcoffee.com

加藤信吾

Kato Shingo

with Barista ! 編集長 ライター / コピーライター
ORIGAMIのブランド設計に外部パートナーとして携わるなかで、様々なバリスタと出会い、各地のスペシャルティコーヒーに感動し、気がつけば一日2杯のコーヒーが欠かせない日々を送る。
twitter:@katoshingo_

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